紙のDMは時代遅れ?今、アナログ施策が成果を上げる

今回はデジタル化が進む中でアナログの営業アイデアがあなたの活動を大きく改善することができるヒントを共有したいと思います。今やWEB活用が当たり前であり、様々なインターネット広告やデジタルツールが日々アップデートしています。パソコンやスマホを開けば沢山の情報が溢れていますが、今回お話しする内容は、その状況でも見込み顧客の興味を引き、行動を促すことができるのが実はアナログの施策にあるというものです。

■DMが営業活動を変える起爆剤に

私の事業では長年クライアントの営業活動の支援を行っておりますがWEB広告を用いた集客施策を実施しながらも、そこに偏らず、"あえて"アナログを用いた施策を組み合わせて実行することを心がけています。確かにWEB広告は瞬発力があり、多数のWEBメディアを使いながらテキストコピー、クリエイティブ画像、動画を複数用意して最適な広告は何かを細かく分析し、プロモーションを進めることができます。最近では比較的、小コストで出稿検討ができる検索広告やSNS広告を多くの中小企業でもごくごく普通に実施するようになり、そこでの競争も激化しているというのも事実です。競合他社との比較がされやすいWEB広告では、より綿密な戦略を立ててプロモーションを組まなければなりません。

この状況の中で成果を伸ばすための集客アイデア、重宝するのがアナログの「DM」を利用するということです。WEBと紙のDMを組み合わせることを私はオススメしていますが、この組み合わせを生み出すことで競合他社を振り払い、見込み顧客から逆指名されるとっておきの秘策になります。

■紙のDMは感情に強く訴求できる

少し考えてみて頂けると分かりやすいのですが、WEB広告と紙のDMを比較した時にどちらが「記憶に残りやすいか」というと、紙の方が受け取り手にとって強い影響を持ちます。紙のDMは実際に物として見て、手に取り触れてみて、読んでみるということで人間の五感をフルに使って感情に訴求することができます。

古臭いイメージを持たれやすいのですが、WEB広告ではこの五感を刺激するようなプロモーションには限界があります。

ですので、あえてアナログのDMを活用することは実はあなたの営業活動を活発化させるにおいて非常に優秀なツールになり得るということなのです。

■営業活動に効果的なDMの作り方

では、どのようなDMを作れば効果的な集客活動ができるのか、細かく解説していきましょう。DMを活用するにおいて大切なポイントはこの3つです。

1、誰に送るのか?

2、何を送るのか?

3、何をしてもらうために送るのか?

1、誰に送るのか?

DMをお送りするにあたって一番重要なこと、そして大きなメリットになることは、誰に送るのか?を明確にできるということです。宛先を明確にできるということはつまり、自社の見込み顧客になりそうな相手の狙いを定めて訴求することができるということです。

DMをお送りする前に必ず実施することは、自社にとって見込み顧客になりそうな人・企業を選定するということ。ある一定の条件に当てはまるリストを絞り込むことが反応を上げる大きなポイントになります。ここを厳守すれば期待通りの反応が得られる見込みが高まります。

2、何を送るのか?

次に、選定した相手先に何を送るのか?ということがポイントになります。ここで注意して欲しいのがメッセージ性のないものを唐突に渡しても反応を得る≒受注に結び付く営業活動は実現できません。例えばよくある失敗例として、企業概要のパンフレットや商品紹介のチラシをただ送付するというもの。五感を刺激できるDMを活用するのであれば、ここは工夫が必要で、DMの宛先があるということはつまり受け手がいる、読み手がいるということです。相手の感情を刺激できるようなメッセージを取り入れた内容を盛り込んだ文章をセールスレターと呼びますが、これを取り込むことで相手の印象は大きく変えることができます。

3、何をしてもらうために送るのか?

絞り込んだ宛先リストに向けてセールスレターを送付するわけですが、その目的を明確にすることも大切なポイントです。パンフレットやカタログを送付して受け身で相手の反応待ちをするのではなく、具体的な行動を取ってもらえるよう、こちらから仕掛けを作り込んでおく必要があります。そのDMを受け取ってからすぐに反応を示すことができるような行動喚起の仕組みを用意してください。

■思わず読みたくなるDMの仕掛け

送り先の相手に手に取られ中身を読んでもらうためにはどんなことに気を付けたらよいでしょうか。

セールスレターを書く際には「AIDAの法則」を理解すると反応を得られる文章を作ることができます。自社の商品や会社のPRをしたいからといって唐突に商品の紹介文を並べても受け手の心には全く響きません。響かないどころかそのような送付物の多くは一瞬にしてゴミ箱行きとなってしまいます。

そこでまず理解頂きたいのが、見込み顧客側の心理、受け手、読み手の感情を知ることです。

AIDAの法則とは、

Attention→注意を引く

Interest→興味関心を持たせる

Desire→欲求を掻き立てる

Action→行動を促す

この4つの要素をセールスレターの中に盛り込むと相手の感情に刺激を与えてこちらが望む行動を自然と促すことができるようになります。

また、セールスレターは文章の構成(何をどう伝えるか・何から伝えるか)が非常に重要です。DMを送付する際には、瞬時に、いかにして思わず開封したくなる仕掛けを用意してその封筒に注意を引かせ、読み手が抱える不安や悩みに関する内容を綴ることで中身の文章をじっくり読ませ、その現在の問題・今まで気付きのなかった課題を明らかにした上でどんな解決策があるかを提示し、それを手に入れるための方法を提示して行動を促すという一連の流れを構成に落とし込むことが非常に重要です。見込み顧客の欲求を掻き立て、行動せずにはいられなくなるほどの提案を盛り込み、どのようにして問い合わせや申し込みに短時間でつなげるか。セールスレターの中でスムーズに設計できていると良い反応が得られます。

【A→I→D→A】 この流れを意識してセールスレターを作ると良いでしょう。

■DMに必要な4つの構成要素とは

ここではセールスレターを構成する4つの要素を紹介します。これらは見込み顧客からの興味関心を引き出し、行動を促すための流れを作る骨組みになります。一つずつ見ていきましょう。

見出し

セールスレターの構成要素の中でこのパーツは最も重要です。なぜならこの見出しを見たDMの受け取り手はたった数秒でこの先のメッセージを読むか読まないかを判断してしまうからです。ですから読み手の感情を一瞬で掴むほどのインパクトのある言葉を用意しなくてはなりません。この見出しは短い言葉でシンプルにまとめても良いですし、数行に渡る文章で訴求しても次のページを読み進める強力な役割を果たします。良い見出しを作れるかどうかでこのセールスレター自体の質が左右されるため、時間をかけてアイデアを練ると良いでしょう。

参考までにサンプルの見出し事例をいくつか挙げます。こちらをチェックしながらあなたの商品やサービスに置き換えて書き出してみると最適な見出しを考案することができると思います。

見出しサンプル事例)

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メリット

このパーツではあなたの商品やサービスを入手することで見込み顧客となる読み手にとってどんなメリットがもたらされるかを明確にします。ここで注意頂きたいのは、商品自体の特徴を羅列して説明するのではなく、読み手がそれを手にすることでどんなメリットを享受できるかということです。

商品自体の機能の説明ではなく、読み手がその機能を利用することによって、どんな生活になり、どんな感情になり、どのような変化が生まれるのか、ということを強調するように文章をまとめてください。この内容は読み手にとって魅力的な内容であればあるほどセールスレターをじっくり読み進めてもらえますので[自社商品の説明<<<読み手のメリットを訴求]ということを中心に考えましょう。

信頼性

DMの受け取り手の感情を考えると突然受け取るDMに驚いているかもしれません。そして見出しの言葉に惹きつけられ、中身を隅々までじっくり読んで納得しかけているところ。しかしながら、この商品やサービスが良さそうだと感じても、本当に大丈夫なのか、信頼しても良いメッセージなのか半信半疑でその先の行動に躊躇しているかもしれません。そこで、信頼性・権威性を示すパーツを盛り込みます。ここでは具体的な数字(導入企業数)やメディア紹介実績、専門業界での知名度や評判を並べていきます。一番分かりやすいのは、既にその商品やサービスの導入を決めた顧客の声です。"ありのまま"を載せることで、読み手側が抱える半信半疑な感情をクリアにすることができるでしょう。

行動喚起

そして最後の構成パーツとして必ず用意してもらいたいのが、このセールスレターを送った目的を明確にし、読み手にどのような行動をして欲しいかを伝えるということです。読み手の欲求を駆り立て、今すぐに目の前に立ちはだかる問題や不安を解決したいという気持ちを即座に行動に移してもらえるように導いていきます。

「○○(見込み顧客の不安・悩みの解決策)が欲しい方は、今すぐに★★(行動内容)すれば問題をクリアすることができます。」

このフレーズを末尾に補完して緊急性が演出できると尚良いセールスレターができるでしょう。

 

以上、効果的なセールスレターを作る代表的な4つの構成要素を紹介しました。

その他にも細かなパーツや仕掛けを施すことができますが、この4つはどんなセールスレターにおいても必ず組み込んで欲しいものですのでまずはここを押さえて自社の使える営業ツールを作成してみましょう。

■セールスレターサンプル事例紹介(図①)

では、セールスレターはどんなものなのか、実際のDM原稿をご覧ください。ここでは全てを掲載することはできませんので途中の文章を省略し、特に重要な読み手を引き込むための冒頭部分と行動を促すための末尾部分を抜粋しました。是非、セールスレターの基本の流れを掴んで自社の営業活動の一環として活用頂ければと思います。

セールスレターサンプル事例)

プロモーション:ITツール販売会社の法人向け新規顧客開拓

ターゲット:社長経営者、決裁権を持つ担当部長宛

内容:中小企業向けへの無料試用サービスの提案

新しい営業施策を試したい方へ

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神部 哲郎

S-CW OFFICE KANBE代表  BtoBマーケター/プロモーター/コンサルタント  創業年月:2015年1月 (2024年現在10期目)  年商30億円までの中小企業経営サポートを行っている。苦難を感じていた自身の営業活動を見直し、マーケティングやコピーライティングのスキルを実践現場で習得、後に業界業種、数多くの販促プロモーションを成功させている。すぐに使えるアイデア力を武器に売上利益・集客アップに直結させる施策を、次々に立ち上げる。社長経営者の右腕的コンサルタント、マーケティングアドバイザー、売上増進を目的としたコピーライターとして活動中。

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